ウェブマーケティングを担当されている方ですと、Googleアナリティクスを用いて自社のウェブサイトの管理されている方も多いかともいます。Googleアナリティクスを活用していれば、ユーザーがどのような経路でウェブサイトに訪れてくるのか、どのページがユーザー導線上のボトルネックになっているのかなど、サイト上のユーザーの動きを確認することが出来、ウェブサイトのその後の運用に役立てることが出来ます。
そんな、Googleアナリティクスのウェブ分析ですが、
ややこしいのが直帰率と離脱率という2つの指標ではないでしょうか。
「直帰率と離脱率って何が違うの?」
「直帰率と離脱率ってどちらの指標を見ればいいのかわからない・・・」
「インターネット広告用のLPはどのくらいの離脱率がいいのだろうか・・・」
なんてお悩みの方は、是非一度、直帰率と離脱率の違いを確認してみてください。
今回はこのような悩みを抱えているウェブマーケティング担当者の方のために、
直帰率と離脱率についてまとめさせていただきました。
是非参考にしていただければと思います。
【目次】
- 直帰率と離脱率とは
- 直帰率とは
- 離脱率とは
- 最適な直帰率・離脱率はどのくらいなのか
- インターネット広告の配信量によっても変わる直帰率と離脱率
- まとめ
①直帰率と離脱率とは
ウェブ分析をしていくうえで、サイト上のどのページに課題があるのかを発見するのに役立つ指標がこの直帰率と離脱率です。この2つの指標は、自社のウェブサイトを訪問したユーザーがどこのページでサイトから離れてしまったのかを示す指標になりますが、似ているため混同されている担当者のかたも多いのではないでしょうか。
◆直帰率とは
対象となるページを訪れたユーザーが他のページに遷移することなしにサイトから離れてしまった割合を示す数値になります。直帰率の計算では、そのページから始まったセッションのみが対象となります。他のページからサイトに流入してきたセッションは直帰率の数値に影響しません。
例えば
セッションⅰ:ページA⇒離脱
セッションⅱ:ページB⇒ページC⇒ページA⇒離脱
セッションⅲ:ページC⇒ページB⇒ページA⇒離脱
セッションⅳ:ページA⇒ページB⇒離脱
このような4つのセッションがあったとします。
この場合、ページAの直帰率は50%となります。
直帰率を求める計算は下記のようになります。
【式】
直帰率=ページAを直帰したセッション数 ÷ ページAから始まったセッション数
=1(セッションⅰのみ)÷2(セッションⅰとセッションⅳ)
=50%
セッションⅱとセッションⅲでは最終的にページAでウェブサイトを離脱していますが、
ページAから始まったセッションではないため直帰率の計算には含まれません。
ちなみに、ページ内リンクの場合はページを遷移したとはみなされません。
ページ内のアンカーを利用したページ内リンクを設定している場合には、
ページ内のリンクで遷移したとしても、ページ遷移とはカウントされませんので、併せて覚えておくとよいでしょう。
【ページ内リンクの例】
https://△△○×.com/
のページ内で
https://△△○×.com/#product_id=45
に遷移するように《 アンカーリンク 》が設定されているようなケース
※ #product_id=45 の部分がアンカーリンクになります。
◆離脱率
離脱率は、対象となるページのページビューのうちそのページがセッションの最後のページとなった割合を示す数値になります。直帰率と違うのは、直帰率の計算ではそのページから始まったセッションのみが対象となりますが、離脱率の計算ではそのページのすべてのページビューが計算の対象になります。
再び上記の例で、離脱率の計算をしてみましょう。
セッションⅰ:ページA⇒離脱
セッションⅱ:ページB⇒ページC⇒ページA⇒離脱
セッションⅲ:ページC⇒ページB⇒ページA⇒離脱
セッションⅳ:ページA⇒ページB⇒離脱
このような4つのセッションでのページAの離脱率は75%となります。
離脱率を求める計算は下記のようになります。
【式】
ページAの離脱率=ページAで離脱した回数 ÷ ページAのページビュー数
=3(セッションⅰ、ⅱ、ⅲ)÷4(ページAのすべてのページビュー)
=75%
すべてのセッションのうちページAでサイトを離脱してしまった回数は3回です。
ページAのページビュー数は4回なので、ページAの離脱率は75%となります。
②最適な直帰率・離脱率はどのくらいなのか
ウェブ分析をしていくうえで気になってしまうのが、直帰率と離脱率はどのくらいが望ましいのかという疑問です。
実際、多くの担当者の方から
「このページの直帰率はどのくらいがいいのでしょうか・・・」
「このランディングページの離脱率はこのくらいで良いのか・・・」
といったような内容の問い合わせを受けることがありますが、
しかし、この問いに対して適正な数値はありません。
なぜなら、直帰率や離脱率という数値はウェブページ上のコンテンツの善し悪しのみだけでなく、
ウェブサイトの構成にも影響されているからです。
例えば、1ページで情報を完結させているブログのようなサイトの場合は直帰率が高くなります。
また、ECサイトのように、決済ツールなど外部のサイトと連携していて、外部サイトへのリンクで遷移してしまうページも直帰率や離脱率は高くなってしまいます。
このように直帰率や離脱率はサイトの構成によっても変化してきます。
そのため、適正な数値がどこなのかを決めることは難しいといえるでしょう。
ページの直帰率や離脱率が気になってしまう場合は、ウェブサイトの構成と他のページとの相対的な数値の比較から見て、その数値が低いのか高いのかを判断するとよいでしょう。
③インターネット広告の配信量によっても変わる直帰率と離脱率
直帰率や離脱率は、ウェブサイトへ訪問させるユーザーの質によっても変化してきます。
ウェブサイトのコンテンツに興味関心の高いユーザーが多く来ているのであれば、そのウェブサイトの直帰率は低くなるでしょう。
一方で、あまり興味関心のないユーザーが訪問しているのであれば、ユーザーにとって魅力的な情報を提供しているわけではないので、必然的に直帰率・離脱率は高くなってしまいます。
このような状況は、インターネット広告を活用している場合によく起こり得ます。
インターネット広告では、ユーザーがGoogleやYahooの検索エンジンで検索する検索語句に連動させて広告を配信する検索連動型広告(リスティング広告)や1度ウェブサイトに訪れたことのあるユーザーのみに限定して配信するリマーケティング広告など、顕在化しているニーズがあるユーザーを呼び込むことができる一方で、性別や年齢層、居住エリアなどのユーザーの属性データでセグメントを設定して広告配信する場合など、潜在的な見込み客であるユーザーにウェブサイトを知ってもらうために訪問してもらうこともできます。
顕在的なニーズに向けて広告を配信する場合、ウェブサイトの情報に興味関心の高いユーザーを呼び込むことができますが、潜在的な見込み客に向けて広告を配信する場合、ウェブサイトの情報に興味関心の高いユーザーばかりではなく、全く興味のないユーザーも呼び込んでしまうため、ウェブサイトの直帰率や離脱率は高くなってしまう場合があります。
Googleアナリティクスではそれぞれのページごとの直帰率や離脱率を見る際に、セカンダリディメンションとして《メディア》を設定して確認することができます。
※セカンダリディメンション > 集客 >メディア で設定できます。
広告の流入経路ごとでも直帰率や離脱率を分析することで、流入経路ごとの最適化を進めることができます。
⇒Googleアナリティクスでよく出てくる《メディア》の意味から詳しく知りたい方はコチラを参照ください。
メディア・広告媒体とは?まずはその意味から押さえておこう
④まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はウェブ分析でよくある質問、直帰率と離脱率の違いについてまとめさせていただきました。
直帰率は「ランディングページの状況を可視化する指標」であり、
離脱率は「サイト全体のユーザーフローを可視化する指標」であります。
この2つの指標をしっかりと使い分けて分析することにより、ウェブマーケティングにおけるPDCAの効率は今まで以上に高めることができるでしょう。
しかしながら、直帰率や離脱率に最適な数値というものはありません。それは、直帰率や離脱率がウェブページのコンテンツの内容だけでなく、ビジネスモデルやウェブサイトの構成、またはインターネット広告などによる集客方法にも影響を受けてしまうからです。
直帰率や離脱率はウェブマーケティングを進めていくうえで気になる数値ではありますが、あまりその数値のみに固執せず、ウェブサイト上の課題発見のための指標という程度で活用する方が良いといえるでしょう。
ウェブ分析やウェブ集客でお困りの際は是非ご相談いただければと思います。