リードジェネレーションとリードナーチャリング。
BtoBのマーケティングを担当している方であれば言葉自体は聞いたことがある方も多いと思います。
- まったく聞いたことがない。
- 言葉は知っているけど、詳しい意味まではわからない。
今回は、このような方に向けて、リードジェネレーションとリードナーチャリングがどういったことを意味するのか、リードナーチャリングは近年なぜ注目され、重要視され始めているのかといったことを説明していきます。
目次
- リードジェネレーションとは
- リードジェネレーションの主な手法
- リードナーチャリングとは
- リードナーチャリングの必要性
- リードナーチャリングのメリット
- リードナーチャリングの主な手法
- まとめ
1.リードジェネレーションとは
まず、リードジェネレーション、リードナーチャリングともにリードという言葉がついていますが、リードとは、自社の商品やサービスに興味・関心がある見込み客という意味で使われています。
そして、リードジェネレーションとは、リードを生成する、つまり見込み客の獲得を意味し、まだ自社のサービスを認知していない方に対し、何らかの手法を活用し見込み客としてコミュニケーションが取れるような状態にすることです。
とりわけ、Web広告に関しては多くの場合、このリードの獲得を目的に行われることが多く、Web広告はリードジェネレーションの手法の1つと言えます。
2.リードジェネレーションの主な手法
リードジェネレーションの主な手法には以下があげられます。
- テレセールス
- 展示会
- Web広告
順に説明していきます。
◆テレセールス
テレセールス、テレアポのことです。
リストに電話をかけ、リードの獲得を行う手法です。
メリットとしては、時間とコストが比較的かからずに済み、かけた時間に対して圧倒的に数を稼げることがメリットとしてあげられます。
反面、断られる確率も高く、決裁者にも直接繋がらないことが多いため成功確率としては低いというデメリットもあります。
◆展示会
国内外で開催される展示会に出展し、名刺交換、簡易的な商談を通じてリードを獲得する手法です。
メリットとしては、目的が明確化された場であることが多いため、リードの質は比較的高いことや、来場者と直接話すことができるため、リードの獲得のみならず、自社の商品・サービスのどの部分に興味を持ったのか、現在抱えている課題点はどういったものなのかというヒアリングが行えることもメリットとしてあげられます。
反面、出展料がかかってしまう、ブースに人員を割く必要がある、出展するのは自社だけではなく競合も出展する場合も多く比較されてしまうといったデメリットもあります。
◆Web広告
インターネット上に広告を配信し、リードを獲得する手法です。
リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告などの種類があります。
メリットとしては、比較的短期間で成果に結びつけることができ、調整(運用)を行っていくことで費用対効果を高めることができる点があげられます。更に、効果測定も緻密に行うことができるため、かけた費用に対してどれくらいの効果があったのかが見えるのもメリットといえるでしょう。
反面、細かな調整が必要となり工数がかかる場合があり、広告を開始してそのまま何もせず放置した場合には成果に結びつきづらいという特徴もあります。
このような問題を解決する場合には専門の代理店に依頼することが多く、その場合には手数料が発生し、コストがかかってしまうというデメリットもあります。
⇒リスティング広告について詳しく知りたい方はこちら
いずれにおいても、リードジェネレーションは、自社のマーケティングを展開させていくうえで重要なプロセスになります。
どれだけ優れた製品・サービスを所有していても知ってもらわなければ先に進むことはできません。
そして、リードを獲得した後、そのリードをしっかりと成約に繋げていくために必要とされるマーケティングのプロセスがリードナーチャリングとなります。
3.リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとはリードジェネレーションで獲得したリード(見込み客)を自社の顧客に育成していくことです。
リードジェネレーションで獲得したリードが全て成約に繋がるかというと、当然ですが決してそういうわけではありません。
リードにはホットリード、コールドリードと2種類の分類があり、簡単にいうとホットリードとは比較的成約が見込めるリードであり、コールドリードとは反対に今すぐには成約が見込めないリードのことです。
多くの場合、やはり成約に至りやすいと期待されるホットリードに対して営業リソースが投下され、コールドリードに関しては後回しにされ、休眠顧客リストとなってしまうというようなケースが多いです。
今すぐには成約に至らないリードであったとしても、少なからず興味・関心を抱いていたリードという事実は変わりません。
そのため、このリードに対しても適切なタイミングで適切なアプローチを行うことができれば成約に繋げることが可能であり、育成することで自社の顧客にしていくというのがリードナーチャリングの考え方となります。
4.リードナーチャリングの必要性
リードナーチャリングは、前述したようにコールドリードを休眠顧客にせず、成約に結びつけることで企業の売上をあげることができるため必要なプロセスだと言えますが、リードナーチャリングの必要性は、これだけにとどまりません。
これ以外にリードナーチャリングが必要とされる理由には、消費者の購買行動モデルの変化が関係しています。
購買行動モデル、皆さんも一度は聞いたことがあるかと思います。
⇒購買行動についてはこちらも参照ください
AIDMA、AISCEASというような消費者が商品・サービスを認知してから購入に至るまでの過程を説明した概念になります。
インターネットが普及し情報が多様化し、市場が成熟してきた現代では、消費者は自ら情報を取りに行くことができるようになったため、自ら比較、検討を行いやすくなっています。この影響で認知から購買までのプロセスが長期化しており、特に、BtoBの商品・サービスに関しては、その傾向が強いです。
このような状況の中で、獲得したリードに対して何もアクションを行わず、長期間放置してしまうことは、競合へ流れる可能性を高めてしまうこととなり、大きな機会損失に繋がってしまいます。
このようなことを防ぐためにも長期化しているプロセスの中で、定期的に見込み客にアクションを起こし、信頼関係を結んでおくことが重要と考えられることから、リードナーチャリングの必要性が高まっています。
5.リードナーチャリングのメリット
ここからはリードナーチャリングを行うメリットを説明していきます。
リードナーチャリングを行うメリットには以下があげられます。
- 見込み客が競合他社に流れるのを防げる
- リード獲得のためのコストの費用対効果を高めることができる
順に説明していきます。
◆見込み客が競合他社に流れるのを防げる
リードナーチャリングを行うことで見込み客が競合他社に流れるのを防ぐことができます。
リードを獲得した時点では、コールドリードと判断されていたリードでもどこかのタイミングで購買の意思決定を行い、商品・サービスの導入を行うことは十分に考えられます。
この意思決定を行った際、再び自社の商品・サービスを想起し検討してくれるかどうかは定かではありません。
リードナーチャリングを行うことで定期的に見込み客と接触することができため、想起してくれる可能性を高めることができ、競合他社に流れるのを抑えることに繋がります。
◆リード獲得のためのコストの費用対効果を高めることができる
仮に、リードジェネレーションで大量のリードの獲得に成功したとしても、その中でホットリードのみを拾い上げるだけではコールドリードが無駄になってしまいます。
大量に獲得したリードの割合の中でホットリードのほうが多ければ良いですが、コールドリードのほうが多かった場合には、費用や人的リソースを割いた割にはその効果に見合わないということも考えられます。
この場合でもリードナーチャリングを行っていれば、コールドリードが購買の意思決定を行い、ホットリードに変化したタイミングで自社の商品・サービスを取り入れてくれれば、最終的にリード獲得に投じたコストの費用対効果を高めることができます。
6.リードナーチャリングの主な手法
このようにリードナーチャリングを行うことでメリットはありますが、具体的にどのような手法があるのかをご紹介していきたいと思います。
リードナーチャリングの主な手法としては、下記があげられます。
- メール
- セミナー
- SNS
- ブログ
順に紹介していきます。
◆メール
メールマガジンに代表される手法です。
見込み客にとって有益だとされる情報をメールマガジンとして発信し、定期的に接触を図っていきます。
メールマガジン以外にも顧客の行動にあわせたメールを配信するステップメールという手法があります。
例えば、メールマガジンを送った結果、開封し、添付しているファイルやURLをクリックした数が2回以上に至った場合には、他の見込み客に送るメールとは異なる内容で送るといったように、顧客の行動にあわせて送る内容を変えるようなものをステップメールと呼びます。
マーケティングオートメーション(MA)ツールを使うことでより細かいセグメントにわけたステップメールも送ることが可能です。
◆セミナー
セミナーもリードナーチャリングにも有効な手法といえます。
メールマガジンなどに比べ、対面でのコミュニケーションが図れるため、展示会と同様にその場で顧客が抱えている課題をヒアリングすることも可能です。課題点は多くの顧客に共通している場合も考えられるので、メールマガジンなど他の手法と組み合わせることで効果を上げることも期待できます。
◆SNS
FacebookやTwitterに代表されるSNSも見込み客と定期的に接触するといったことに関しては有効です。
自社のFacebookページやTwitterアカウントを利用することで、ページやアカウントをフォローしているユーザーに情報発信を行うことができます。
◆ブログ
自社で運営しているブログがあれば、ブログもリードナーチャリングの手法となりえます。
ブログなどをブックマークされている場合には、更新していくことで見込み客が見てくれている可能性もあります。
ブックマークされていない場合でも更新した旨をメールで通知することでメールマガジンと同様の使い方ができます。
時間はかかりますが、SEO対策なども行えば、リードナーチャリングだけではなく、リードの獲得も同時に行うことができるようになります。
マーケティングオートメーションを(MA)ツールの中には、メールマガジンと同じように、1週間以内に3回以上閲覧しているユーザーや、あるページを何回見たユーザーというようにセグメントをかけ、把握できるものもあり、そのようなユーザーには特別な資料メールを送ったり荷電したりするなどして商談に持ち込むことも可能なケースもあります。
7.まとめ
リードナーチャリングは、ホットリード、コールドリード関わらず、最終的に成果に繋がる可能性を引き上げることが可能となるプロセスです。
そのため、リードの数が多ければ、より売上に繋がる可能性が大きくなるともいえます。
現状、自社保有しているリードの中で、休眠顧客が多くなっているような状況であれば、リードナーチャリングを行うことで大きな資産と変わることも考えられます。
反対に、現状はそこまでリードの数は多くないという場合でも、冒頭で紹介させていただいたテレセールス、展示会、Web広告といったリードジェネレーションと同時に進めていくことでこの先の売上増加に繋がることは十分に考えられます。
ぜひ、この機会に取り組んでみてはいかがでしょうか。
また、弊社ではWeb広告のご相談も承っております。 Web広告を活用してリードを獲得したい、実際にWeb広告を行ってリードは獲得できているけれどもっと数を増やしたい、というようなお悩みの方はお気軽にご相談くださいませ。