「i」マークとは

インターネットでなにかしらのサービスを閲覧・利用している際に、広告画像を見たことはありませんか。

それをバナー画像といいます。そんなバナー画像の端に「i」マークが表示されているのをご存じでしょうか。

このアイコンをクリックするとユーザーが広告の表示の可否を選択することができるようになっています。

このアイコンは「AdChoices」もしくは「インフォメーションアイコン」といいます。これらはすべてのバナー画像に表示されているわけではありません。ターゲティング広告で配信されているバナー画像でのみ確認することが出来ます。ターゲティング広告とは、媒体がユーザーの閲覧履歴や登録情報をもとに、広告内容とユーザーの興味関心が適していると判断したユーザーに配信する広告のことを指します。

今回はこの「AdChoices」「インフォメーションアイコン」とはなにか、そして何故これらのマークがターゲティング広告に表示されるようになったかなどをご紹介していきます。

<目次>

■「i」マーク

  ◇「AdChoices」

  ◇「インフォメーションアイコン」

i」マークの背景

■「AdChoices」「インフォメーションアイコン」の違い

■ユーザーにとっての「i」マーク

■広告主にとっての「i」マーク

■まとめ

■「i」マーク

バナーに表示されている「i」マークについて2種類のデザインを目にしたことがあるかと思います。

これらは「AdChoices」と「インフォメーションアイコン」のデザインの違いです。

なぜ2種あるかというと、それぞれのアイコンの所有団体が異なるためです。

「AdChoices」「インフォメーションアイコン」

・「AdChoices」

AdChoicesは、Digital Advertising Alliance(DAA)という主要な広告およびマーケティング業界団体が主導する独立した非営利団体が提唱した業界標準のマークで、バナー画像の右上隅に表示されます。「i」マークをクリックすると、広告が表示される理由の詳細を確認したり、表示を拒否したりすることが可能となります。

・「インフォメーションアイコン」

インフォメーションアイコンは、ターゲティング広告の個人データの取り扱いや利用を停止する仕組みをユーザーに知らせるプログラムで、バナー画像の右上隅に「i」マークとして表示されます。これは「インフォメーションアイコン」と呼ばれ、JIAA(一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会)が指定する共通のアイコンです。このアイコンをクリックすると、「AdChoices」と同様に、ユーザーは広告が表示される理由の詳細を確認したり、表示を拒否したりすることが可能となります。

■「i」マークの背景

「AdChoices」「インフォメーションアイコン」も、ターゲティング広告などユーザーの検索履歴や閲覧記録などの情報からそれぞれのユーザーの関心に合わせて表示される広告に記載されます。いわゆるターゲティング広告に表示されています。今までに、商品Aの名前を検索したり、商品Aのサイトに立ち寄ったりした後、別の目的でインターネットを利用している際、商品Aの広告を目にするといった経験はありませんか。

このようにターゲティング広告は、インターネットを利用するユーザーの年齢や性別、閲覧履歴といった個人の情報を利用して配信されているため、人によっては自分の嗜好を勝手に覗かれているといった感覚が生じ、不快に感じる方も多く、長い間プライバシー保護の観点から議論がなされてきました。

こうした議論の末に生まれたのが「AdChoices」「インフォメーションアイコン」です。

これらを表示することで、広告主は配信している広告についての個人情報の取り扱いに対する透明性をアピールすることができるようになりました。また、ユーザーは広告の表示を拒否する機会が得られるようになりました。

■「AdChoices」「インフォメーションアイコン」の違い

「AdChoices」「インフォメーションアイコン」の大きな違いは、扱っている団体の活動地域です。

「AdChoices」はDigital Advertising Alliance(DAA)という団体が提供しており、主に米国のインターネット広告についての規制を行っています。

この団体にはGoogleなど400社以上が参加しています。つまりGoogle媒体から配信されているターゲティング広告のバナー画像には「AdChoices」の「i」マークが表示されます。

「インフォメーションアイコン」は一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が作成したアイコンです。つまり日本のインターネット広告についての規制を行っています。この団体には2014年にYahooが参加しているため、Yahoo広告から配信されているバナー画像には「インフォメーションアイコン」が表示されています。

活動地域は異なっていても、DIAAとJIAAはどちらもインターネット広告のターゲティング広告の個人情報の取り扱い等、消費者保護の観点に基づいたガイドラインの策定などに取り組んでいます。

日本にいるユーザーにとってGoogle広告とYahoo広告はそれぞれ接触する機会が多くある媒体の広告だと思いますので、どちらの「i」マークにも接することがあるでしょう。

■ユーザーにとっての「i」マーク

ターゲティング広告はユーザー自身の個人情報や検索の閲覧履歴、行動履歴に基づいて配信されます。

なので、仮にユーザーがたまたま検索しただけのサービスや商品など、それほど興味のないサービス等の広告が配信されたり、同じ広告が複数回表示されたりといったことがあったかと思います。今まではしつこさや不快さを感じても、ユーザーはその広告の表示に対してどうすることもできませんでした。しかしながら「AdChoices」「インフォメーションアイコン」の登場によって、ユーザーは広告を拒否することが可能となりました。

また個人情報の取り扱われ方も知ることが出来るようになり、これまでより安心してインターネットを楽しむことができる環境が整えられてきています。

■広告主にとっての「i」マーク

個人情報保護法は3年ごとに改正されていきます。よって、インターネット広告においても取得したユーザー情報の取り扱い方について対応していかなければなりません。

広告を取り扱う企業にとっては、DAAやJIAAといった団体に加盟することで他社がどのように課題解決に対して取り組んでいるかといった情報を得ることができます。さらに、対外的にもプライバシー保護等について積極的に活動している姿勢を示すことが出来、顧客からの信用を得られます。

■まとめ

いかがでしょうか。

「AdChoices」もしくは「インフォメーションアイコン」の誕生により、広告はユーザーに対して一方的に配信されるものではなくなってきています。しかし、まだ「i」マークについての認知度は高いとはいえません。インターネットを閲覧する機会が増加している昨今、広告を閲覧するユーザー自身も自分の情報がどう扱われるのかを考えていく必要があるでしょう。

また、今後こういった団体に加盟する企業が増加してくことも考えられます。広告を出稿する側は、ターゲティング広告用のバナー画像を作成する際に「i」マークが挿入されることを考慮し、情報が被らないように避けるなどといった対応が必要となります。注意しましょう。