私たちが日常でインターネットを利用する際に、目をすることが多くなってきたのではないでしょうか。
「Cookieを有効にしてください」
というアラートです。
実は、インターネット社会の中で様々なサービスがどんどんと便利になっていく中で、閲覧履歴から自分の見たいサイトへ遷移したり、ログイン用のパスワードを省略したりと様々なところでこのCookieが活用されています。
しかし、ウェブマーケティングに携わっていても、このCookieについてはあまり詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
このCookieはインターネットユーザーにとって利便性を提供しているだけでなく、
インターネット広告やウェブ解析など、
ウェブマーケティングに携わるマーケターの方にとっても欠かせないものとなっています。
また最近では、apple社の提供しているiPhoneでこのCookieの有効期限が制限されるなど話題になっています。
Cookieの仕組みを理解することで、ウェブマーケティングの戦略立案をより深くすることが出来るかと思いますので、
是非参考にしていただければと思います。
【目次】
- Cookieとは
- Cookieの仕組み
- リマーケティング広告でのCookieの役割
- まとめ
①Cookieとは
Cookie(クッキー)とは、ブラウザが一時的に保存・使用するファイルです。
一時的なファイルなので情報量は少なく有効期限があるのが一般的です。
通常、Webブラウザで表示・入力した情報はキャッシュとして扱われているため、
ブラウザを閉じたり、デバイスの電源を切ると消えてしまいます。
そうすると、ECサイトや会員制のWebサービスでは毎回ログイン情報の入力が必要になります。
セキュリティの観点からするとログイン情報は毎回入力するのが望ましいですが、
ユーザーの利便性からすると不便なので、ユーザー情報をCookieに保存させ、ユーザーが再びサイトを訪問してきた際は、デバイスに保存されているCookieからユーザー情報を取得して自動でログインを行うのです。
ユーザー情報をCookieに保存させることで、インターネットの利便性を高めることができます。
②Cookieの仕組み
冒頭で取り上げた「Cookieを有効にしてください」とは、
その意図を簡単にいうと、
“あなたのスマートフォンにファイルを書き込みできるように権限を許可してください”
ということになります。
Cookieは以下の順序で作成・利用されます。
- 初めて利用・閲覧したサイトはCookieにサイト(ドメイン)のCookie情報を作成します。
- 2回目以降はサイトがCookieからサイト(ドメイン)の情報を探して利用します。
作成されるCookieはブラウザ単位になります。
そのため、ブラウザをまたいでCookieが共有されることはありません。
例えば、Chromeでユーザー登録した場合は、再びChromeを利用してサイトを訪れれば自動ログインされますが、Firefoxでサイトを開いても自動ログインはされません。
Cookie(Cookies)の中身は、
・名前:Cookieの名前
・ドメイン:Cookieが有効なドメイン
・作成日:Cookieが生成された日付
・有効期限:Cookieが消滅する期日
などが保存されています。
因みにこれらは、セキュリティ上、エディタなどで開いても、他の人が読めるようにはなっていません。
◆ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieとは
Webマーケティングに携わっている方ですと、何度も耳にすることがあるかもしれませんが、
Cookieには、ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieの2種類があります。
その違いを簡単に説明するとCookieの発行元の違いになります。
例えばニュースサイトでニュースを見たとします。
このニュースサイト(ドメイン)から発行されるのがファーストパーティーCookieになります。
そのニュースサイトにバナー広告が表示されていて、その広告はアドサーバから配信されていた場合、そのドメインから発行されたCookieがサードパーティーCookieとなります。
・ファーストパーティーCookieとは
ファーストパーティーCookieはユーザーにブロックされにくいので、制度の高いトラッキングや効果計測が可能です。ただドメインごとにしか付与できないため、サイト(ドメイン)の横断が出来ません。
・サードパーティーCookieとは
サードパーティーCookieはサイト(ドメイン)に依存しないので、横断的な付与が可能になりWeb広告などに利用されます。
ただ近年では、サードパーティーCookieを使用したWeb広告は個人を特定して行動をトラッキング出来るため、プライバシー保護の観点から問題になっています。
そこで、EUでは2018年5月25日にGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)」が施行されました。
日本でも、個人情報保護法の観点からCookieと他の情報を紐付けて個人を特定する行為が問題視されはじめました。
混同してはいけない点として、Cookie全てが悪い訳ではなく、Cookieの中にはWebサイト利便性を良くするために欠かせないものも存在しています。Cookieが使用できなくなると毎回ログイン情報を入力しないといけません。スマートフォンでそれはけっこう大変なことです。
③リマーケティング広告でのCookieの役割
Webマーケティングで良く活用されている、広告の配信メニューの1つにリマーケティング広告(リターゲティング広告と呼ばれている場合もあります。)というものがあります。
皆様もインターネットを利用している際に、過去に閲覧したことのあるウェブサイトのバナー広告が、別のウェブサイトを閲覧しているときに表示されているのを見たことがあるかと思います。この手法はリマーケティング広告と呼ばれるもので、特定のウェブサイトを訪問したことのあるユーザーに限定して広告を配信するメニューになります。
このリマーケティング広告の仕組みにもCookieは利用されています。
リマーケティング広告では、広告主のウェブサイトを閲覧したユーザーのブラウザに対して、「Webサイトを閲覧した」という識別IDをCookieに持たせています。
このユーザーの識別IDを基にターゲティングをすることで、ウェブサイトを閲覧したユーザーを限定して広告配信することが可能になっているのです。
⇒リマーケティング広告についてもっと詳しく知りたい方はコチラ
リマーケティング広告を正しく使うために。《リマケ広告/基礎編》
③まとめ
いかがでしょうか。今回はインターネットなどで活用されているCookieについて紹介させていただきました。
Cookieはユーザーの利便性を高めていくために欠かせない仕組みの1つで、Webマーケティングの効率化やその効果の可視化にも大きく貢献してきました。
しかし近年では、iPhoneのアップデートにより実装されているITP(Intelligent Tracking Prevention:トラッキング防止機能)への対策や、EUによる個人情報活用に関する保護規制の強化など、Cookieの利用が制限されてくる場合も増えてきました。
Cookieの仕組みを理解することで、
Webマーケティング上の課題発見やその対策をより的確にできるようになります。
是非参考にしていただければと思います。