Yahoo!スポンサードサーチのITP対策、サイトジェネラルタグとは?

ウェブマーケティングを担当されている方ですと、少なからずiPhoneのcookie対策について悩まれたこともあるのではないでしょうか。

iPhoneのcookie対策とはITP(Intelligent Tracking Prevention)機能と呼ばれ2017年9月以降にOS「Safari 11」(※これ以降の機種ではITP機能が備わっています)に搭載された機能のことで、これにより、サードパーティーCookieをもとにした広告配信に制限がかかると発表され、多くの広告主や広告代理店の方々が頭を悩ませた問題です。

「インターネット広告を配信したいけど計測はできるの?」
「うちのリスティング広告のITP対策は問題ないのだろうか・・・」
「Google広告とYahoo!ってそれぞれ対応が個別に対応が必要なの?」

このように悩まれている方のために今回は、

Yahoo!スポンサードサーチとYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)における
ITP対策のための《サイトジェネラルタグ》についてまとめさせていただきました。

【目次】

  1. サイトジェネラルタグの導入が必要な背景
    • ITPが広告配信に与える影響
  2. コンバージョン計測の仕組み
    • 自動タグ設定とは
  3. サイトジェネラルタグとコンバージョン測定タグ
  4. まとめ

①サイトジェネラルタグの導入が必要な背景

冒頭でも取り上げたように、日本のスマートフォン市場で圧倒的なシェアを占めているiPhoneに搭載されているITP(Intelligent Tracking Prevention)機能サードパーティーCookieの計測を無効にします。

そのため、リスティング広告のCV(コンバージョン)計測やディスプレイ広告で活用されるリマーケティング広告のユーザーリストへの影響など、インターネット広告の効果計測にも大きな影響を及ぼすことになりました。

⇒Cookieについてもっと詳しく知りたい方はコチラ
Cookie(クッキー)とは?~ウェブ広告を仕組みから理解する~

◆ITPが広告配信に与える影響

・コンバージョン計測

ITP2.0以降でサファリ経由のコンバージョンが計測できなくなってきています。
コンバージョン計測の影響は効果の出ている広告の判定ができなくなるだけではなく、
コンバージョンをもとに調整している自動最適化機能にも影響を与えるため、
広告の最適化が働きにくくなってしまいます。

・サイトリタゲの配信機能

リマーケティン対象となるユーザーリストの蓄積ができなくなってしまうため、
リマーケティング広告の配信量が減少してしまいます。

そこで、従来のタグに変わり、ITP機能の影響を最小限にして広告の効果を測定するに
Yahoo!サイトジェネラルタグ》というための新しいタグが登場することになりました。

※Google広告では同様のタグはグローバルサイトタグと呼ばれています。

⇒Google広告のグローバルサイトタグについてもっと詳しく知りたい方はコチラ
Google広告の計測タグ(グローバルサイトタグ)が斜め上からきた・・・

②コンバージョン計測の仕組み

Yahoo!スポンサードサーチやYahoo!ディスプレイ広告(YDN)をはじめとするインターネット広告の多くでは、
ユーザーのコンバージョンを計測するために《タグ》を用いて計測しています。

このタグをコンバージョンとなるページ(多くの場合、資料請求や購入の完了ページ:サンクスページ)に設定しておくことにより、
ユーザーが過去に広告をクリックしたことがあるかどうかを識別しています。

ところが、ITP機能によりCookieが無効になってしまうと
この《タグ》が、ユーザーが過去に広告をクリックしているのかどうかを識別できなくなってしまい、
結果的にコンバージョンが計測されなくなってしまうのです。

そこで、ITP機能に影響されない計測タグが設置されることになりました。

Yahoo!サイトジェネラルタグでは、ITP機能の影響受けるサードパーティーCookieではなく、広告主のウェブサイトから発行されるファーストパーティーCookie(1st party Cookie)に切り替え、効果計測をできるようにしています。

◆自動タグ設定とは

サイトジェネラルタグの話に付随して、《自動タグ設定》という言葉を見聞きすることがあるかと思います。
自動タグ設定には、サイトジェネラルタグの機能を補足する効果があります。

自動タグ設定をオンにすると、ユーザーが広告をクリックすると、その遷移先のURLにパラメータが自動的に付与されます。

・YCLIDパラメータ

【パラメータの例】
https://example△▽.aaa.co.jp? yclid==xxxxxxxxxxxxxxxx

広告を運用されている運用担当者の方ですと、
上記のパラメータの例のように

「あれ?、設定していないパラメータが付いている・・・」

と焦ったことがあるかもしれません。

YCLIDパラメータはユーザーが広告をクリックした際に付与されるクリックの識別子になります。
サイトジェネラルタグでは、この自動的に付与されたパラメータをもとに、
ITPの影響を受けにくいファーストパーティーCookieをユーザーに付与することが可能になるのです。

この自動タグ設定に関して、媒体側が発表しているデータによると
自動タグ設定の設定有無で、最大25%(2019年度10月)の差異が発生しているようで、
今後も欠損度合いは拡大していく可能性があるとされています。
自動タグ設定も併せて設定しておく方が望ましいといえるでしょう。

③サイトジェネラルタグとコンバージョン測定タグ

ITP機能を最小限にするためには、コンバージョンタグも従来版のタグとは違うものを設定する必要があります。
リニューアル版の《コンバージョン測定タグ》はサイトジェネラルタグと併せて設定します。

特にコンバージョン測定タグを設置する場所は、
商品の購入や資料請求などのコンバージョンの完了を示す完了ページ(サンクスページ)となりこれまでと変わりませんが、
タグを設置する場所はサイトジェネラルタグの「後」に設定しなければなりません。

Googleタグマネージャーなどのツールを使用する場合は、
それぞれのタグを発火させる順序を合わせて設定する必要がありますので注意してください。

④まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はYahoo!スポンサードサーチやYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)で導入されているサイトジェネラルタグについてまとめさせていただきました。

ITP機能はiOSの普及とともにどんどんその影響を拡大していくでしょう。

特に日本のスマートフォン市場をみた場合、
iOSを搭載したiPhoneの占める割合が極端に高いので無視できるものではありません。

新規にウェブマーケティングを始める方であれば
あえて旧式のタグを設定するというようなことはないかと思いますが、
長く運用しているアカウントの場合、
従来版のタグを使用したまま運用されているというケースも見受けられます。

まずはサイトジェネラルタグを正しく設置し、計測環境を整えることが
運用型広告の改善のための第一歩となります。

是非参考にしていただければと思います。