運用型広告は、主にリスティング広告とディスプレイ広告に大別することができます。
リスティング広告では、キーワード単位でターゲティングを行うことが可能であり顕在層ユーザーへの配信を行うことができるため、比較的効果を出しやすいです。
しかし、一方で、ディスプレイ広告の場合には顕在層ユーザーへの配信が難しく、潜在層ユーザーの配信が主となるため、比較的効果に繋がりにくいといった課題を持たれるケースが多いです。
今回は、そのようなディスプレイ広告を配信する際に気を付けたいことを4点あげ、ご紹介したいと思います。
- これからディスプレイ広告を配信しようと考えている
- ディスプレイ広告の効果をあげたい
- ディスプレイ広告を配信しているものの、ただ配信しているだけになっている
このような方には参考になるかと思います。ぜひご覧くださいませ。
目次
- 入札価格を低くする
- あくまでもオークション形式という認識を持つ
- 何も考えずにクリック課金型にしてしまう
- 予算が少ないために手動入札を選択する
- クリエイティブを疎かにしてしまう
- まとめ
1.入札価格を低くする
ディスプレイ広告は、リスティング広告に比べ1回あたりのクリックにかかる費用が少ないことが特徴としてあげられます。そこで、入札価格を可能な限り低く設定し、より多くのユーザーの流入を促そうと考えたくなるかと思いますが、安易に入札価格を低くしてしまうのはおすすめできません。理由としては、あくまでもオークション形式により配信されているからであります。
◆あくまでもオークション形式という認識を持つ
同額の予算でディスプレイ広告を配信した場合、入札価格を低く設定することでより多くのユーザーの流入を促すことができるかという点でいうと、可能であるケースがあります。
しかし、注意しなければならない点は、あくまでもオークション形式で広告配信が行われているという点です。
品質や入札価格が高く、広告ランクが高いと判断される広告とそうではない広告では、配信されるユーザーの質には違いがあると考えられます。近年、自動入札のような最適化が進んできていることもあり、入札をしっかり行った場合、広告からコンバージョンに至りやすいユーザーや広告で配信する商品・サービスへの興味・関心が高いユーザーへ配信されることが見込まれます。
⇒広告ランクについてはこちらも参照ください
一方で、入札が高い広告がそのようなユーザーに配信されやすいと考えた場合に、入札が低い広告はそのような広告に対してオークションで不利になっている可能性が高いため、広告流入は促せるが、コンバージョンには繋がりにくいユーザーに対しての配信が進んでしまっている可能性が高まっていると考えられます。
そのため、広告を配信する目的がより多くのユーザーを広告へ流入させること、であれば入札価格を低く設定するということは重要となりますが、そうではない場合、考えなしに入札価格を低く設定しまうことは、広告の効果を下げてしまう可能性もあるので注意が必要です。
2.何も考えずにクリック課金型にしてしまう
これは、1回あたりのクリックに対して課金されるクリック課金型か、広告が1,000回表示された際に課金されるインプレッション課金型(CPM課金型)か選べる広告媒体で配信をするときに注意が必要です。
インプレッション課金型の場合、広告の表示回数により課金がされるため、クリックされてもクリックされなくても同じコストがかかることになります。
そのため、確実に広告をクリックしてもらえた場合にのみコストがかかるようにするため、クリック課金型を選択することが多いと思います。
しかし、クリエイティブが優れており、クリック率が高い場合には、クリック課金型で配信を行うよりも多くユーザーを広告へ流入させることが可能となるため、インプレッション課金型のほうが良い場合もあります。
また、自動入札が行う最適化において、クリック課金型を選択するとクリックに対して最適化が行われていくという広告媒体もあります。
そのような場合には、1.入札価格を低くするで前述しましたが、クリックはするもののコンバージョンには至らないといったユーザーに対しても積極的に配信がされてしまうということもありますので、その点も注意が必要です。
3.予算が少ないために手動入札機能を選択する
ディスプレイ広告だけでなく、リスティング広告を配信するときにも同じような悩みを持つ方は多いと思います。
自動入札機能を導入し、コンバージョン数を増やしたいと考えた場合、ほとんどの場合、コンバージョンデータが必要となります。更に、このコンバージョンデータも広告媒体によって最低でも30件以上など最低基準が設けられているケースが多いです。
このような場合に、コンバージョンデータを蓄積するまでにコストがかかってしまうため、自動入札機能は導入せず手動入札機能を選択するといった経験をしたことがある方は少なくないのではと思います。
⇒自動入札に関してはこちらも参照ください
圧倒的な工数削減!Google広告のスマート自動入札機能とは
このような場合、マイクロコンバージョンを活用することが良いでしょう。
マイクロコンバージョンとは、コンバージョンに至る手前をコンバージョンとして計測する方法です。
マイクロコンバージョンを入れることで大きく状況が改善できるわけではないですが、少しでも配信するユーザーの質をあげるというところでいうと意味があるものとなります。
ディスプレイ広告は、リスティング広告のようにニーズが顕在化しているユーザーへ広告を配信することが難しいです。
そのため、少しでも興味・関心が高いと考えられるユーザーに対して配信ができるかどうかが重要となりますが、マイクロコンバージョンを導入して最適化をかけて配信した場合とそうではなく手動入札機能で配信した場合とでは差が生じると考えられます。
例えば、マイクロコンバージョンを入力フォーム画面まで到達したユーザーや導入事例のページに到達したユーザーで設定した場合、このようなデータを基に最適化がされることになります。ただのデモグラフィック情報など、最適化がされていない配信とどちらのユーザーの質が良くなるかといえば、おそらく前者でしょう。このような理由から、予算が少ないという理由だけで手動入札機能を選択してしまうのは、注意が必要です。出来うる範囲で自動入札機能を導入する配信を行うことが重要となります。
4.クリエイティブを疎かにしてしまう
Web広告を配信していくうえで、特にディスプレイ広告においては、誰に配信するかといったターゲティング設定は非常に重要です。
しかし、そこは広告です。ターゲティングよりも配信する広告の広告文やバナー画像といったクリエイティブが最も重要となります。
どれだけ緻密なターゲティングができたとしても、クリエイティブに魅力がなければユーザーの関心をひくことはできず、クリックすらされないこともあります。
そのため、広告文やバナー画像に関しては、制作に力を入れるとともに可能な限り改善を行い続けていくことがおすすめです。
また、広告媒体によって掲載されるプレースメント、表示形式が変わります。同じサイズで使い回せるものであっても表示のされ方が同じであるとは限りません。
ある媒体では、画像内のテキストもしっかり見えて訴求力が高いと思えるようなものでも、他の媒体では、思った以上に小さく表示されており画像内のテキストがぼやけてしまっていて訴求力が低くなっているというようなことも起こりえます。広告媒体によってどのような表示形式になっているか、更に同じ媒体の中でも掲載面によってどういう違いがあるのかといった部分に気を付けながらクリエイティブの作成を行っていくと良いでしょう。
また、広告文においては、会社名や公式表現を入れたいと考えがちですが、ディスプレイ広告の場合、短い広告文と画像といったセットで表示されるケースが多いです。そのため、貴重な広告文枠にはできる限り訴求力の高い文言、例えば実績訴求や割引・価格訴求、キャンペーン訴求等を選定してあげると良いでしょう
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ディスプレイ広告を配信していくうえで気を付けたいこととして4つの点をご紹介いたしました。
クリエイティブの作成に関しては、時間がかかってしまうところではありますが、入札価格やマイクロコンバージョンの設定などは比較的か簡単に進めることができますので、現在の配信状況を鑑みながら、ぜひ実施の検討をしてみてください。
弊社では、ディスプレイ広告だけでなく、リスティング広告、動画広告など、運用型広告全般のご相談を承っております。 広告効果をあげたい、自社の広告媒体選定は適しているのか、他に効果が良い媒体や配信手法などはないかといったお悩みをお持ちの場合は、お気軽にご相談くださればと思います。