リスティング広告やディスプレイ広告といったインターネット広告を活用している方は、日々広告効果と向き合っていることかと思います。
インターネット広告の活用の目的により、達成したい目標は異なるかと思いますが、多くの場合は商品の販売数増加や問い合わせ数といったコンバージョンをいかに獲得していくかを目標に掲げているケースが多いと思います。
そのため、このコンバージョンが増えれば広告の効果は良いといえますし、反対にコンバージョンが減少してしまうと広告の効果が悪いということになります。
今回は、このコンバージョンが減少してしまったときに確認しておきたい項目についてお話していきたいと思います。
・最近、コンバージョンが減少してしまっているけどどこをチェックしたらよいのかわからない
・コンバージョンを増加させるための糸口を探している
そんな方には参考になる内容かと思いますので、ぜひご覧くださいませ。
【目次】
- コンバージョンが減少してしまっているときに変化しやすい指標
- コンバージョンが減少してしまったときに確認したい項目
- キーワードの数値
- 検索クエリの変化
- 広告クリエイティブの数値
- プレースメント(広告配信先)の数値
- まとめ
1.コンバージョンが減少してしまっているときに変化しやすい指標
今回の記事でいう広告効果の良し悪しは、コンバージョン数が増加しているか、減少してしまっているかとなります。
これは基本的な知識となりますが、コンバージョン数が減少してしまっているときには、コンバージョン率(以下CVR)もしくはクリック単価(以下CPC)の数値がこれまでに比べ変動している可能性が高いです。
複数のキャンペーンを配信しているような場合であれば、どのキャンペーンでこれらの指標が変化しているのかを確認していきましょう。
◆CVRが下がっているケース
CVRとは、コンバージョン率のことを指しますが、コンバージョン数が減少してしまっているときには大抵このCVRが低下していることがほとんどだと思います。
広告へ流入したユーザーのうちどれくらいのユーザーがコンバージョンに至ったかを示す指標となるため、クリックの総数が同じだとした場合にはCVRが向上すればコンバージョンは増加することになります。
CVRが低下してしまった際に考えたい施策として、最もインパクトが大きく、CVRを改善できる施策にLPO(ランディングページ最適化)があります。
⇒LPOについては、こちらを参考にしてみてください
◆CPCが上がっているケース
CPCとは、クリック単価のことを指しますが、CPCが上がることによりコンバージョンが減少することもあります。
この場合は、CVRが上がっていたとしてもコンバージョンが減少することもあるので注意が必要です。
CPCが上がってしまうことで、獲得できるクリックの総数が減ってしまい、それによりCVRの水準を維持できたとしてもコンバージョンが減少してしまうということになります。
CPCの上がり幅が大きいとCVRを向上させたとしてもコンバージョンが減少してしまったということもありえるので、CVRがあがっているからと油断せず、CVRと同様、CPCの推移も確認しておくことが重要です。
CPCについては、競合の入札価格の影響を大きく受けるため、抑制することが難しいことも多いですが、品質スコアをあげることで抑制に繋がるケースもあるため、取り組んでみるのもよいでしょう。
⇒品質スコアに関してはこちらの記事も参考にしてみてください
リスティング広告のクリック単価(CPC)はどう決まっているの?
2.コンバージョンが減少したときに確認したいポイント
コンバージョンが減少してしまったときは、広告の出方に変化が起きている可能性があります。
例えば、クリックされているキーワードやクリックされている広告クリエイティブ、地域別の配信量の増減、ターゲティング別の配信量の増減等があげられます。
そのため、これらの項目を確認し、調整していくことが必要となります。
◆キーワード毎の数値
まず、初めに見ておきたいのがクリックされているキーワードの数値に変化がないかどうかです。
完全一致、フレーズ一致、部分一致といった複数のマッチタイプを活用しているようなケースであれば、コンバージョンに至りやすいキーワードとしては、完全一致のキーワードやフレーズ一致キーワードがあげられ、反対にコンバージョンに至りにくいキーワードとしては、部分一致キーワードがあげられます。
コンバージョンが減少してしまった際によくあるケースとしては、コンバージョンに繋がりやすい完全一致、フレーズ一致キーワードでのクリック数が減少しており、コンバージョンに繋がりにくい部分一致キーワードでのクリック数が増加してしまっているというようなケースがあげられます。
こういったケースが見受けられた場合には、完全一致、フレーズ一致キーワードへの入札単価を上げるなどし、コンバージョンに繋がりやすいキーワードでのインプレッションシェアを確保できるよう調整しましょう。
⇒マッチタイプについて詳しくはこちら
検索連動型広告《リスティング広告》のマッチタイプが分からない…
◆検索クエリの変化
フレーズ一致や部分一致キーワードによる配信ボリュームが多いときには、検索クエリの変化にも注目しましょう。
特に近年、自動入札を導入しているアカウントは多くなってきていると思いますが、Google推奨のアカウント構成では部分一致キーワードを主軸として自動入札を導入するという構成が推奨されています。
このような構成の場合、意図していない検索クエリに対しても配信がされてしまい、結果としてコンバージョンが減少してしまうといったことが起こりえます。
検索トレンド等に影響を受けることも大いにある部分となりますので、定期的にチェックを行い、不要な検索クエリは除外設定を行い、コンバージョンが減少しないよう努めたいところです。
◆広告クリエイティブの数値
こちらもキーワード同様にコンバージョンに影響を与えやすい点となりますのでコンバージョンが減少してしまった場合には確認しましょう。
検索広告でもディスプレイ広告でも効果検証も含めて何パターンか同時に配信しているケースが多いかと思います。
そのようなケースで、コンバージョンがあがりやすい広告クリエイティブ、そうではない広告クリエイティブに差が生じている場合、コンバージョンがあがりやすい広告クリエイティブへクリックを集中させるのが好ましいです。
コンバージョンが減少してしまっている局面では、コンバージョンがあがりにくい広告クリエイティブのクリック数が増加し、反対にコンバージョンがあがりやすい広告クリエイティブでのクリック数が減少してしまっているというケースが多いため、そのような傾向が見受けられた際には、コンバージョンがあがりにくい広告クリエイティブは停止・差し替えする等、コンバージョンがあがりやすい広告クリエイティブへクリック数が集中するよう調整を施すのがよいでしょう。
また、近年、主流になってきているレスポンシブ検索広告やレスポンシブディスプレイ広告といった広告クリエイティブでは、組み合わせが自動最適化により変動するような仕様になっています。レスポンシブ検索広告では、どのような組み合わせで配信されている割合が多いかは確認することができますが、レスポンシブディスプレイ広告に関しては、細かい組み合わせまでは確認できないため、注意が必要です。
レスポンシブ検索広告、レスポンシブディスプレイ広告の影響でコンバージョンが減少してしまっていると考えられるような場合には、アセット(広告文や画像)を差し替える等して対応しましょう。
⇒レスポンシブ検索広告について詳しくはこちら
Google広告/Google広告で推奨されているレスポンシブ検索広告とは?
◆プレースメント(広告配信先)の数値
こちらはディスプレイ広告に関する項目となりますが、ディスプレイ広告でのコンバージョンが減少した際に確認したい項目となります。
プレースメント(広告配信先)とは、広告が配信されるウェブサイトやアプリのことを指します。
ウェブサイトであれば、そのウェブサイトがどんなサイトなのか、アプリであればどんなアプリなのかといったことがわかります。
コンバージョンが減少してしまったような局面では、このプレースメントの数値がコンバージョンの獲得が順調だった時期と比べて異なっていることがあるため、そのような状況が見受けられた場合にはコンバージョンに繋がりにくいプレースメントは除外していきましょう。
反対にプレースメントを確認し、コンバージョンがあがりやすいプレースメントが確認できた場合には、プレースメント単位でターゲティングを行う(プレースメントターゲティング)ことで効率的なコンバージョンの獲得を行っていくこともできますので、こちらもあわせて設定するようにしましょう。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。
それぞれ基本的な項目とはなりますが、コンバージョンが減少してしまったというときに確認したい項目です。
今回あげた項目を見る際には、コンバージョンが獲得できていた時期やある一定の期間(前月や前週等)と比較してみていくことが効果的です。
これらの項目を確認するためには、それぞれ実施している広告媒体の管理画面にログインし確認、あるいはレポートの作成を行い確認となります。これらは時間がかかってしまい、大変な作業ではありますが、このような地道な作業を行うことでコンバージョンが増加するケースは大いにあります。コンバージョンが減少してしまっている、今よりコンバージョンを増やしていきたいということであれば、ぜひ取り組んでみてください。
弊社では、運用型広告の相談を承っております。
広告の効果を伸ばしたい、色々施策を実施しているがなかなか効果があがらないといったお悩みから、新規プロモーションを考えている場合にどのような配信戦略が良いのかといったことまで幅広く受け付けておりますので、お気軽にご相談下さればと思います。