圧倒的な工数削減!Google広告のスマート自動入札機能とは

リスティング広告やディスプレイ広告をはじめとした運用型広告を担当されている方であれば、最近「自動化」や「自動入札」という言葉をよく聞くのではないでしょうか。運用型広告の「自動入札化」は近年目まぐるしいスピードでその精度を高めています。

特にGoogle広告のスマート自動入札機能は精度も高く、導入後の管理も非常に簡単で、正しく使いこなすことで、運用担当者のこれまでの作業工数を大きく削減してくれることは間違いないでしょう。

「広告の自動化ってよく聞くけど、本当に大丈夫なの?」
「自動入札機能って手動で調整するよりも何が優れているの?」
「運用型広告を自動化したら仕事がなくなってしまう…」

こんな風に悩まれている方のために、今回はGoogle広告で導入されている自動入札機能:スマート自動入札に関してまとめさせていただきました。自動入札機能はその精度という観点から、手動による入札調整よりも優れているだけでなく、運用工数の面でも圧倒的な工数削減に役立ちます。

もうすでに自動入札機能を導入されている方も、まだどうしようか悩まれていて導入を検討されている方も、是非参考にしていただければと思います。

【目次】

  1. Google広告のスマート自動入札とは
    • スマート自動入札機能で用いられるユーザーのシグナル
    • スマート自動入札機能による調整方法
  2. スマート自動入札機能によるこれまでの作業工数の削減
    • キーワードマッチタイプ:部分一致の追加
    • 最適化案の活用
  3. 削減された作業時間で何をすべきか
    • 自動化機能を導入するだけでは効果は改善しない!
  4. まとめ

①Google広告のスマート自動入札とは

スマート自動入札機能は、Google広告が提供する自動入札機能です。

何が「スマート」なのかというと、機械学習を活用して、CPA目標やROAS目標など、そのキャンペーンの目的に合わせて、オークション毎に自動で入札単価を調整してくれるということです。

これまでの、手動での入札の場合、ユーザーが検索する検索語句や、デバイス、時間帯、など機械的なデータに基づく一律な調整しかできませんでしたが、スマート自動入札機能を活用すれば、より個々のユーザー単位で調整することが可能になります。

個々のユーザー単位での調整を可能とするための識別情報は《シグナル》と呼ばれています。

スマート自動入札機能では、個々のユーザーのシグナルを機械学習で読み解き、オークション毎に最適な入札価格になるよう調整してくれているのです。

◆スマート自動入札機能で用いられるユーザーのシグナル

スマート自動入札機能では、手動入札では調整することのできなった、ユーザーのシグナルに対しても調整することが可能です。

スマート自動入札機能で用いられているユーザーのシグナルには下記のようなものがあります。

  • デバイス
  • 所在地
  • 時間帯
  • ユーザーの属性(性別、年齢など)
  • 実際の検索語句(検索クエリ)
  • OSとブラウザ

など

デバイス、所在地、時間帯、ユーザーの属性に関しては、従来の手動での調整も可能でしたが、スマート自動入札ではこれらのシグナルを掛け合わせて総合的に判断され、コンバージョンの可能性が高いと判断された場合は、通常よりも強めに入札を調整することが出来ます。逆に、コンバージョンの可能性が低いと判断された場合は、入札の調整が弱められます。

また、スマート自動入札機能ではユーザーの実際の検索語句単位でも入札が調整されます。これは従来の手動の入札調整では調整することが出来ないため、スマート自動入札を導入することにより、利用できる機能の1つとなっています。検索語句単位で入札調整をすることにより、コンバージョンの可能性が高い検索語句に対して効果的に配信することが可能となります。

手動での調整の場合、そのセグメントに対して一律の調整がされてしまいますが、スマート自動入札機能では、オークションごとにユーザーのシグナルが分析され、オークションごとにリアルタイムで入札を最適化するように調整がされています。

◆スマート自動入札機能による調整方法

スマート自動入札では、入札方法をキャンペーン単位で設定することになります。

一部の広告グループやキーワードだけ自動入札にするということはできませんので、
特定の目的を持ったキーワードなどを運用する場合や、異なる目的の広告を運用する場合は注意が必要です。

スマート自動入札機能で活用できる入札戦略には下記のものがあります。

  • コンバージョン数の最大化
  • 目標コンバージョン単価
  • 目標広告費用対効果
  • コンバージョン値の最大化
  • (eCPC)

入札調整はキャンペーン単位での目標設定になります。目標の値をキャンペーンに設定すると、キャンペーン全体での効果を、その目標値に合わせていくように、自動調整がされていきます。

目標設定は広告グループ単位で設定することも可能です。同じキャンペーンの中でも、広告グループによっては積極的にコンバージョンを求めていきたい広告グループと抑制しながら獲得数を増やしていきたい広告グループが混在してしまう場合があります。このような場合は広告グループ単位で目標設定をすることで、それぞれの配信量を調整することが可能です。

※ただし同じキャンペーン内でそれぞれ別の入札戦略を設定することはできません。

広告グループに目標設定をした場合は、キャンペーンへの設定値よりも広告グループへの設定値の方が優先されて配信されますので、キャンペーンの設定値と配信結果が乖離する場合があります。

そのほか、目標設定はデバイス単位でも設定することが可能です。

⇒自動入札戦略で何を選べばいいのかわからない方はコチラを参照ください。
コンバージョン最大化?目標CPA?Google広告の自動入札戦略では何を選ぶべきか

②スマート自動入札機能によるこれまでの作業工数の削減

スマート自動入札を活用することで、これまで煩雑だった入札調整の作業工数は大きく削減できるでしょう。

手動調整では、広告グループ単位もしくはキーワード単位での効果を見ながら、個別に調整をしなければなりませんでした。
自動入札機能を活用すれば、目標値を設定するだけで、あとは自動的にその目標値を達成できるように調整しながら配信をしてくれるため、細かな調整は不要になります。

スマート自動入札を活用してより作業工数を削減していくためには、
入札戦略を見直すだけではなく、そのほかの機能も併せて活用していくとよいでしょう。

◆キーワードマッチタイプ:部分一致の追加

スマート自動入札の機能を最大限に発揮していくためには、キーワードのマッチタイプで《部分一致》を活用していく必要があります。

ただし、部分一致のマッチタイプでキーワードを登録すると、予期せぬキーワードで広告を配信することになるため、関連性の低いキーワードにも配信されてしまうことになります。スマート自動入札を活用して目標を設定すれば、理論的にはそのような効果の悪いキーワードに対しては機械学習が進み徐々に配信がされなくなっていく仕組みですが、一時的な効果の悪化は免れません。

そうした効果の悪化を避けるためには、ユーザーが実際に検索している際に入力する検索語句(検索クエリ)を確認し、関連性の低いキーワードに配信がされている場合は、手動で除外キーワードを登録していくことが望ましいでしょう。

⇒キーワードの除外設定について詳しく知りたい方はコチラを参照ください。
リスティング広告の除外キーワードは何を設定すればいいの?

部分一致を活用して、予期せぬユーザーの検索語句に対しても広告の表示機会を獲得していくことは、これまでの煩雑なキーワードの管理という作業工数の削減にもつながります。まだ、部分一致の活用をされていない方は是非、活用してみてください。

◆最適化案の活用

Google広告における工数削減のために役立つ機能が、Google広告のアカウント内で提供されている《最適化案》の活用です。最適化案はアカウント右端のメニューから選択し確認することができます。

《最適化案》の提案内容は、スマート自動入札に関係するもののみではなく、手動入札を選択しているキャンペーンにも適用されていますが、《最適化案》を活用することで、運用調整の内容を考える手間が従来よりも圧倒的に短時間で済むようになります。

《最適化案》では、今のアカウントがどの程度最適化されているかを示す割合として最適化スコアという数値を設定しています。この数値は100%を最高値としており、アカウントへの変更が行われるたびにリアルタイムで更新される数値になっています。

最適化スコアは90%以上が理想的とされていますので、最適化スコアの数値が低いアカウント場合は《最適化案》の活用を検討してみてください。

③削減された作業時間で何をすべきか

Google広告の提供しているスマート自動入札はこれまでの作業時間を短縮してくれていることは間違いないでしょう。
《最適化案》を活用することで、今の広告アカウントに足りていないところは何なのかを考えることも容易になりました。

では、この削減された作業時間で運用担当者はなにをすべきなのでしょうか。

自動化による作業時間の削減は、運用担当者がそのほかの重要な戦略を立案していく時間を提供してくれます。

言い換えれば、これまでは広告を最適なポジションで掲載させるための調整に時間を割いてきましたが、最適なポジションでの掲載までは自動的に調整ができるため、これからは、広告から流入してきたあとのユーザーの動向に注目しコンバージョン率の改善など、マーケティング効率の改善に時間を割くことができるようになります。

◆自動化機能を導入するだけでは効果は改善しない!

自動化機能を最大限に生かしていく場合は、それを意識したアカウント構成にしていかなければなりません。特に、自社のビジネスモデルとGoogle広告で推奨されているアカウント構成がマッチしない場合は、どのように適応させて運用させるかというのは、運用担当者を大きく悩ませる問題です。

マッチしないから自動入札を導入しないというのは、必ずしも最適な対応ではありません。

何故なら、同じように広告を出稿している競合他社が自動入札を導入している場合、オークションで不利になり結果的に広告での効果を悪化させてしまうことになってしまうからです。


自動化することで広告運用が容易になるにつれ、

「広告代理店は不要じゃないのか」

との声を聴く機会も増えてきたように感じますが、自動入札機能を導入してマーケティングを拡大させていくためには、やはり専門性の高い知識が必要になってきているのも事実です。

競合他社の動向を意識しながら、自社の強みを生かしたマーケティング戦略を立案し、それを自動入札機能に落とし込むという作業は、なかなか時間のかかることです。

自動化により短縮された時間はこれらの専門性の高い作業に充てていくのが、マーケティングの継続的な拡大にとって重要なことといえるでしょう。

④まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はGoogle広告で活用されているスマート自動入札機能についてご紹介させて頂きました。

スマート自動入札では、手動で調整するよりも多くのシグナルを瞬時に読み解き、そのキャンペーンの目的に合わせた最適な入札単価でオークションに入札することが可能になります。そのため、従来型の手動による入札設定をしていた場合、オークションで不利になる可能性が高くなり、結果的に自動入札機能を活用しているほうのパフォーマンスが良くなるということが起こり得ます。

また、スマート自動入札機能を活用することで、これまでの煩雑だった入札調整などの作業工数は大きく減少するため、Googleが提案するように、運用担当者はその時間をマーケティング戦略の立案に当てることができるようになります。

しかし、簡単に導入することのできるスマート自動入札機能ですが、そのためのアカウント構成などを正しく設定しないと思うように効果に結び付かない場合があります。キーワード構成や広告文の設定などGoogle広告の《最低化案》を併せて活用することで、比較的簡単に修正していくことができます。

スマート自動入札機能を活用される際は、最適化のためのアカウント構成についても意識することでその後の効果が大きく変わってきます。

是非参考にしていただければと思います。